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Kanten

KANTEN / TEST DESIGN GUIDE

SaaSのテスト観点表テンプレート:権限・状態・非同期処理の記入例

SaaSのテスト観点を洗い出すための無料テンプレート。権限変更、テナント分離、非同期処理など8つの記入例と、未確定仕様をケースにしないレビュー手順を紹介。登録不要でMarkdownをダウンロードできます。

まず使える形に

テスト観点表には、何を・どんな条件で・どのリスクのために確認するかを残します。SaaSでは権限や所属だけでなく、処理中の変更も切り口になります。まずひとつの機能に絞り、未確定の仕様を質問として分けるところから始めてください。

無料テンプレートをダウンロード(Markdown) ↓

登録不要。自社用にコピー・編集できます。Excel形式やKantenへの直接インポート用ファイルではありません。

テスト観点表に必要な項目

テスト観点は「権限」「状態遷移」のような確認の切り口です。一方、テストケースには事前条件、操作、期待結果が必要です。観点表に操作手順をすべて詰め込むと、レビューする人が設計の抜けを探しにくくなります。

このテンプレートでは次の項目を分けています。既存の表を使う場合も、不足する列だけ追加すれば構いません。

  • 機能・操作:対象を限定する。例は「CSV出力の予約」。
  • 観点・条件:役割、所属、データの状態、処理の時点を具体化する。
  • 起きると困ること:件数や一般論ではなく、利用者や業務への影響を書く。
  • 根拠と未確定事項:合意した仕様と、まだ決まっていない質問を分離する。
  • 判断と関連ケース:採用・対象外・要確認を区別し、ケースIDへつなぐ。

「対象外」は省略の言い換えではありません。例えば外部APIが存在しないなら対象外にできますが、理由を残すことで次の仕様変更時に見直せます。

SaaS向けテスト観点の記入例:8つの切り口

以下は設計を説明するための例で、特定の顧客や障害の事例ではありません。自社に存在する機能だけを選び、仕様に合わせて条件を書き換えてください。すべての行を採用しても網羅性は証明できません。

Kanten独自の説明例:観点 → 条件 → リスク → 確認事項
観点条件の例起きると困ることレビューする内容
権限の変更管理者が処理を開始し、完了前に閲覧者へ変更される開始時の権限だけで結果を受け取れてしまう権限を再判定する時点と、進行中処理の扱いを確認
テナントの切替A社で開いた詳細画面を残してB社へ切り替える古い画面・URL・キャッシュからA社の情報が見える画面、取得要求、保存先それぞれの所属を確認
非同期処理一覧の出力を予約した後、対象データが更新される利用者が想定した時点と異なる内容が出力される開始時か実行時か、どの時点のデータかを仕様化
操作の競合同じ申請に対し承認と取消が並行する表示と実データの状態が食い違う許される状態遷移と競合した側の応答を定義
再試行と復旧処理は確定したが応答が届かず利用者が再実行する重複処理、または失敗したように見えて放置される確定の識別方法と、利用者が結果を確認する方法を整理
契約と既存データプラン変更時に既存データが新上限を超える保存済みデータが意図せず削除・編集不可になる閲覧・編集・追加の扱いを別々に決める
削除と参照共有された対象を削除し、通知や履歴から開く削除済みの内容が残る、または履歴まで失う保持すべき履歴と、表示・復元の許可範囲を確認
境界と外部連携外部サービスへの送信だけ成功し、自システムの記録に失敗する片側だけ確定し、再送で矛盾が増える相関ID、照合・復旧方法、責任を持つ担当を確認

性能、アクセシビリティ、可用性などの品質要件は、この表だけでは扱い切れません。利用者、利用環境、契約上の要件を確認し、必要な専門的テストへつないでください。テナント分離の行もセキュリティ評価の代替ではありません。

権限 × 処理の状態を組み合わせて考える

「閲覧者は出力できない」と「出力に成功する」を別々に確認しても、出力を予約した人の権限が途中で変わった場合の扱いは決まりません。観点を増やすより、重要な操作の途中で何が変わるかを問い直します。

設計上の問い:予約済みの出力を誰が受け取れるか

管理者が組織Aの出力を予約し、完了前に組織Aから除外された。出力の実行、完了通知、ファイル取得をそれぞれ許可するか。

どれが正しいかは製品の仕様次第です。「ファイル取得時には現在の所属を確認する」と合意したなら、開始時には許可されていても、取得時には拒否されるケースへ展開できます。実行時の扱いや通知内容は別の判断として残します。

組み合わせを無限に作る必要はありません。まず情報露出、データ消失、業務停止など影響が大きいリスクを選びます。次に、その結果を変えそうな役割・状態・時点だけを組み合わせ、採用理由を説明できるようにします。

観点表からテストケースへ進む4つの手順

  1. 仕様の版を固定する。機能の説明だけでなく、決定済みのルールと対象外を記録します。手元の推測を仕様として扱いません。
  2. 対象機能に観点を当てる。8つの切り口を出発点に、製品固有の業務状態や過去の不具合から追加します。同じ意味の候補はまとめます。
  3. 要確認を解消する。回答者と期限を決めます。回答待ちの行を「テスト実行可能」と数えず、決まらないことによる影響を伝えます。
  4. 採用した条件をケース化する。期待結果を具体化し、仕様・観点・ケースの対応を残します。拒否の確認では画面だけでなく、取得できないことやデータが変わらないことも確認対象にします。

上限変更など、既存データとの関係を深掘りする場合は、仕様変更時のテスト観点を見直す5つの手順に7行のレビュー例を掲載しています。

コピーして使えるテスト観点表テンプレート

まずは次のリリースで変更する機能をひとつ選び、VP-01を複製して使ってください。本書式はKanten作成のオリジナルで、自社の設計作業にコピー・編集して利用できます。

テンプレートをMarkdownでダウンロード ↓
テンプレート全文を表示・コピーする
# SaaSのテスト観点表テンプレート

Kanten作成。自社のテスト設計にコピー・編集して利用できます。
Markdown形式(ExcelファイルやKantenへのインポートファイルではありません)。
一般的な設計用の書式であり、網羅性やセキュリティを保証しません。

## 対象と根拠
- 対象機能:
- 仕様版・チケットID:
- 利用者・役割:
- 対象テナントと契約:
- 対象の入口(画面/API/ジョブなど):
- 対象外と理由:

## 観点表(必要な数だけ行を複製)
### VP-01
- 機能/操作:
- 観点(確認の切り口):
- 条件(役割・所属・状態・タイミング):
- 起きると困ること:
- 仕様の根拠・期待する振る舞い:
- 未確定事項/確認先/期限:
- 判断(採用/対象外と理由/要確認):
- 関連ケースID:

## ケース化する前のレビュー
- [ ] 観点と具体的な操作手順が混在していない
- [ ] 権限、所属、処理の状態を必要に応じて組み合わせた
- [ ] 未確定の期待結果を勝手に補っていない
- [ ] 優先するリスクと対象外の理由を説明できる
- [ ] 仕様版、観点ID、ケースIDを対応付けた

## テストケースへの展開
- ケースID/観点ID:
- 根拠となる仕様・回答:
- 事前条件とテストデータ:
- 操作:
- 期待結果(確認する内容と証拠):
- 実行可能か/回答待ちか:

よくある質問

Excelの観点表でも使えますか?

考え方や項目は使えます。本稿のダウンロードはMarkdownであり、Excelのブックではありません。既存の表に必要な項目を追加するか、見出しを転記して使ってください。

テスト観点表とテストケースは別に必要ですか?

必ず別ファイルにする必要はありません。観点とケースの目的・粒度を区別して追えることが重要です。小さな変更なら同じ資料でも、観点IDと関連ケースIDを対応付けられます。

AIに観点を出してもらえば完成ですか?

完成ではありません。仕様に存在しない前提、重複、未確定の期待結果を人が見直します。AIの候補を全部採用した数ではなく、重要なリスクに対して根拠のある確認が設計できたかをレビューします。

作成方針

文責:Kanten(運営:KASANE PTE. LTD.)。AIを利用して作成した解説です。表、例、書式は本稿向けのオリジナルです。顧客データ、実際の障害事例、導入効果を示すものではありません。

製品の操作範囲は公開デモ、利用条件は料金ページをご確認ください。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。